SUZUSANと有松鳴海絞り-1
こんにちは、籔谷です。
来週末から始まります、SUZUSANの展示会。
クリエイティブディレクターの村瀬さんのこと、SUZUSANと有松鳴海絞のこと。
NEWSページでプロフィールとしてご紹介している内容を、
あらためて詳細にお伝えしたいと思います。
村瀬弘行 1982年名古屋市生まれ。Suzusan クリエーティブディレクター。
2002年に渡欧、サリー美術大学(イギリス)を経てデュッセルドルフ国立芸術アカデミー (ドイツ)にて
立体芸術及び建築学科卒。
2008年在学中にデュッセルドルフで suzusan e.K. 設立。
デュッセルドルフと有松を拠点にオリジナルブランドsuzusanをスタートし
ファッションとインテリアでのデザインのディレクションを手がける。
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村瀬さんとの出会いは実は数年前、パリ在住の大学時代の友人が書いた
VOGUEブログの記事でした。
「世界中のバイヤーたちが注目する、日本の伝統技術の有松絞りのブランド SUZUSAN」
http://www.vogue.co.jp/blog/taco/archives/136
ちょうど奥順もパリでの展示会へ出展していた時期だったので
近いバックグラウンドを持ち、すでに成功されているSUZUSANさんの記事を
強い関心を持って読みました。
その後、このブログを書いているtacoちゃんも結城に遊びに来てくれたりしたのですが、
村瀬さんをご紹介くださったのはまた別の方で、
こうしたご縁の不思議さについて、最近はとても自然なことだと思うようになっています。
繋がる人とは、繋がるようにできているのだろうと。
「Dior クチュールコレクションに絞りのテキスタイルを提供したSUZUSAN、伊勢丹で限定販売スタート。」
http://www.vogue.co.jp/blog/taco/archives/413
この後日本での展示会が様々な場所であり、伺う度に仕事をお願いしたい気持ちが募り、
何度か村瀬さんが帰国される際にお会いして、 比較的すぐに意気投合。
年が近い同世代で、伝統布の産地を背景に持っていることもあり、
それぞれの会社の立ち位置や、産地としての課題など話は尽きず。
そうしたやりとりの中から、この度着尺を染めて頂けることになりました。
以前に、澤屋でも取り扱いのある染色作家の方が、
「織りや絞りは技術的な制約がある故に本質を損なわずに新しいものづくりができる、
何もかもが自由だと本質を継いでいくことが難しく、いつの間にか全てが亜流になって
いるという事態に陥ることがある」というようなことを仰っていて、
制約は実は可能性でもあるのだと興味深く伺ったことがありました。
村瀬さんもきっと、この制約があるからこその表現に強いオリジナリティと可能性を
感じて、ものづくりをされているのではないかと思います。
伝統と新しさを同時に表現するのは、曖昧な言葉になってしまいますが、
センスであり、とても絶妙な匙加減なのだと思います。
具体的にどういったことなのかは見て頂くしかないことで、
そういった意味でも澤屋の空間でSUZUSANさんの作品を展示できることは
とても嬉しく、楽しみなことです。
つづく