SUZUSANと有松鳴海絞り-2
前回に続いて、今日は有松鳴海絞りの産地と手ぬぐいのことをご紹介します。
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Suzusan と有松鳴海絞り
名古屋市内を抜ける東海道沿いにたたずむ宿場町、有松、鳴海。
Suzusanの原点である鈴三商店はこの小さな町で100年以上にわたり
この地方に伝わる染色技法、有松鳴海絞りを営んできました。
括る、縫う、といった素朴な仕事を通して、
浴衣やきものなどにその培われた文様を咲かせてきました。
本来すべての工程が分業制になっており、母から娘へ、父から息子へ
受け継がれて来た絞りの技術は最盛期には100種類以上の柄を生み出すまでになり、
この小さ な宿場町は1万人以上の職人でにぎわいました。
こういった染色技術はアフリカ大陸、インド、 南アメリカなど他の世界の地域でも行われていますが
一つの地域にこれだけの種類の技法が作られた例は他にありません。
しかし時代の流れとともにこの繊細な技術も衰退をたどり、かつてのにぎわいは今では
200 人を数える職人になってしまい、ひとり一技法の仕事で半分以上の文様が
この世から既に姿を 消してしまいました。
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“ひとり一技法”。これは有松鳴海絞を知って初めて知った方法論でした。
例えば上の写真左側の手ぬぐいは「手蜘蛛絞り」という技法で染められたもので、
1年ほど前から澤屋で扱わせてもらっていたのですが、その方がご高齢ということもあり、
作るのが難しくなってしまったということで、扱いができなくなってしまいました。
人気があり、個人的にもとても好きだったので残念です。
手ぬぐいにも本当に色々な柄があって、木綿の質もとても良くて、
着物を着ることもあって手ぬぐいは色々持っているのですが、
SUZUSANのものを購入してからはそればかり使ってしまいます。
一般的な手ぬぐいの倍(ものによっては3倍)の価格ですが、それだけの良さがあります。
貴重な技法を手ぬぐいとしてコレクションすることの楽しみもあると思います。
今思えば、もっと手蜘蛛絞りの手ぬぐいを買っておけば良かった、と思ったりします。
そんな有松鳴海絞りですが、企画展では手ぬぐいも様々な種類のものが一堂に並びます。
様々な技法の見本市のようにお楽しみ頂けますので、
手ぬぐいを目的に訪れて頂く価値もあると思います。
つづく