澤屋のブログ

展示会に寄せて-装いを組み立てる楽しさ

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こんにちは、籔谷です。

 

ただいま店頭では「結いのもの 特別な結城紬と織楽浅野の帯」展を実施中です。

 

今回この展示会を企画したのは、特別な記念の品として結城紬を誂えられるお客様が

いらっしゃったことがきっかけでした。澤屋が始まってからそうした方はお一人ではなく、

婚約の記念品に、結婚記念日の贈り物に、退職の記念など自分への節目のご褒美に、

と様々なご要望がありました。

 

今回はそうした特別な記念の品になりうる、紬ならではの豪華さのあるもの、

特別感のあるものを意識して新作を作りました。

さらに全体の印象を格上げしてくれる、織楽浅野の帯とのコーディネートで、

新しい世界観をお見せしたいと思っています。

 

澤屋のコンセプトは “あらためてきものに出会う” です。

新鮮に出会えるもの、着る度に心が動くもの、発見のあるもの、

というイメージで着物をご提案しています。

すでに着物が好き、結城紬が好きという方はもちろんですが、これから着物を着始めたい、

いわゆる呉服屋さんには行き難い、というお客様も好んで来て下さっています。

 

そんな中で私達が提案していることの中には、実は高度なこともあります。

例えば紬の着物に金糸銀糸はご法度と言われますが、現在店頭に並んでいる

織楽浅野の帯には、金糸銀糸の使われているものが多くあります。

結城紬とのコーディネートに違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

ただ、織楽浅野の帯はいわゆる古典の重い織の帯ではなく、センスの良いお洒落に

比重の置かれた帯です。アクセントとして金糸銀糸が使われていても、「紬にご法度」と

言われるそれとは同じ帯ではなく、結城紬と呼応し、新しい表情を引き出してくれます。

 

決まりを知った上で質感を見定め、コーディネートをまとめていく。

金糸銀糸が使われているかどうかよりも、全体の質感がまとまっているか、帯と着物、

それぞれが引き立てあっているか、といったことがこれからの判断の指標になるように思います。

正しさよりも、美しさ、格好良さが着物を次の世代に繋げていくと思うからです。

 

完全に正しい答えはない中で、今の時代の、これからの着物を楽しみながら着こなしていく。

自分で考えて装うのは簡単なことではないですが、

だからこそ着物には、誰もがこれからを作っていける楽しさがあります。

 

もちろんコーディネートはあくまでも提案の一つですので、

私はこの帯は絶対に紬には合わせない、という方も大歓迎です。

 

店頭に並んでいるのはいずれも自信を持ってお勧めできる品です。

ぜひお手にとってご覧くださいませ。

 

 

【結いのもの -特別な結城紬と織楽浅野の帯- 】

平成28年9月3日(土)~11日(日)火曜定休

 

・本場結城紬 新作 雲ぼかしに縦絣[雨奇晴好]

・石下結城紬 新作 付け下げ感覚の縦絣[エバーラスト]

・織楽浅野 九寸名古屋帯 澤屋別誂え

・織楽浅野 新作帯各種

・松原智仁 帯留め(9月一杯の取扱

 

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織楽浅野9寸名古屋帯 乾山雲取 ¥187,800 (税込み・仕立上がり)

 

 

本場結城紬 「雨奇晴好」 ¥1,180,000(税込み・仕立上がり)

織楽浅野9寸名古屋帯 ¥177,000(税込み・仕立上がり)

 

 

 

 

 

 

 

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