澤屋好みの付け下げ
こんにちは、籔谷です。
9月の後半からは「佳日佳景 澤屋好みの付け下げ展」が始まります。
着物の決まりには適っていても、訪問着ではやり過ぎになる可能性があるのが
昨今の着物。そんな時に一つ持っていると重宝するのが付け下げです。
場をわきまえた上でただ適っていればいいのではなく、
「着物」という印象だけでまとめられてしまうのではなく、
おしゃれでファッションとしても魅力的なもの、
素敵な装いとしてふわっと記憶に残るような着物を着たい。
着物に親しむ中で、自分自身のそんな要望が明確になってきたこともあり、
今回はじめて結城紬ではない、柔らかものの展示会を催します。
写真は、そこでご紹介するものの一つ。
何とも言えない絶妙なタッチで描かれた松竹梅が、縁起の良い一枚です。
全体のニュアンスある色味と、図案の線の妙。
紬とは違う生地の質感だからこそ感じられる魅力が凝縮されています。
さりげない刺繍の立体感と箔の彩り。
描かれた図案の線のやさしさ、面白みがこの一枚の魅力だと
思うのですが、私はとにかくこの線のタッチ、ラインに大変惹かれます。
力の抜けた感じが大人の余裕とでもいいたげで、
これを着こなせるのは、なかなか素敵な女性ではないでしょうか。
澤屋は結城紬のブランドですが、着物のブランドでもあり、街の着物屋でもあります。
着物の相談を何でも承れるように、澤屋のテイストで着物を揃えたいというご要望に添える
ように、日々成長していきたいと思っています。
今回の付け下げ展は、そのための澤屋の新しい一歩です。
澤屋が提案する新しい世界を、ぜひ見にいらしてください。