小物を味方につけて
こんばんは、関根です。
先日、着物の着合わせがどうにも落ち着かない、といったことがありました。
ごく薄い桜色の縞に江戸更紗の帯だったのですが、コーディネートは悪くないのに、落ち込みそうになるくらい似合わないのです。私にこんな上品な色は着こなせないのかしらと思いながらも諦めずに、問題は薄桃色の帯揚げに有りと濃い緑色に変えた所、いたたまれなさはパっと消えてなくなり、帯と着物がすーっと馴染んでくれたのでした。
帯揚げと帯締めによって、着姿の印象は驚くほど変わります。
例えば今月のしつらえでご好評頂いている、こちらの組合せ。
無地のように見えて実は格子状の縞になっている「網代」という織り方の着尺に、江戸更紗の名古屋帯。私も愛用している深緑の帯揚げが、全体をきゅっと引き締めつつ、黒や紺にも見える深みが奥行きを出しています。そして全体をパっと明るくする、橙色の帯締め。色はもちろん、風合いに手組みならではの存在感があります。
こちらを着物と帯はそのまま、小物の色を変えてみると
人格が変わるといいますか、このコーディネートが似合う人、着る人が「変わる」ことがイメージできるかと思います。
小物を見方につければ、たいていの帯やきものは着こなせるのではないか。
それくらい強気に出ると、コーディネートの幅も広がるかもしれません。
網代 「清澄」(あじろ・きよすみ) 198,000円(仕立上がり)
澤屋×江戸更紗9寸名古屋帯 「摘み草」 175,000円(仕立上がり)
澤屋特製帯揚げ 8,640円 澤屋特製手組帯締め「安打打ち紗綾形」19,440円 ※全て税込