佳日佳景 松葉散らし
こんにちは、籔谷です。
私は母から譲られた若松文様の振袖を愛用してきており、
おそらくそこから影響されているのでしょう、松の文様が好きです。
堂々とした縁起良さ、実直さが好む所です。
その松の応用編と感じるのが、付け下げ展にてご紹介している松葉散らしの一反。
どこかに抽象性、洋風な雰囲気さえまとっていて、
松でこうした空気感が表現できるのだと新鮮な気づき与えてくれます。
晴れやかな帯を合わせて晴れの場へ。
松の縁起の良さが引き立つ、王道の着物。
美術工芸 啓の新熨斗目の帯を合わせて、現代的な雰囲気に。
いわゆる和風ではない、新しい柔らかもの世界が開けるようです。
荒木節子さんの帯も、柄や色の雰囲気だけでみれば、
合わせてみたいように思います。
こうした付け下げに合わせる、艶感のある荒木さんの帯があったら。
想像が膨らみます。
絶妙な散らしの加減、間合い、松葉の線の潔さと軽やかさ。
地色の絶妙な色出し。
控えめでいながら全ての完成度が高く、洗練されています。
ここまで帯による着用シーンの振り幅が大きい付け下げは、まだまだ少ないようです。
礼をわきまえながら、現代の感覚が反映されていて、洋服感覚でも着られるもの。
荒木さんの帯も生地次第で合わせられるのでは、とワクワクしたり。
これからの、新しい柔らかものの世界を予感させる一枚は、
結城紬をきっかけに着物に目が向いた方にもぜひご覧いただきたいものです。
【佳日佳景-澤屋好みの付け下げ展】
平成28年9月17日(土)~25日(日)火曜定休